最近手術の多い母指CM関節症についての説明です。
「CM関節」とは聞きなじみのない名前ですが、親指の付け根で手首の高さにある関節です。聞きなれた「膝の軟骨がすり減る」という病気が、親指で起こった状態です。 症状としてはビンの蓋の開け閉めや、ぞうきんを絞る、ズボンの上げ下げなどつまむ動作や握り動作で、痛みが出現します。 痛む場所が、名前の有名な「デケルバン腱鞘炎」に近いために、一般整形外科や接骨院では「腱鞘炎ですね」と言われ湿布を貼って我慢する、といった処置で終わってしまうことも多いです。 今月手術の患者さんも、「腱鞘炎と言われて様子見ていたけど痛みが取れない」と来院され「腱鞘炎じゃなくて関節がすり減っていますね。」とお話するとびっくりされていました。 親指は手の機能の約半分をつかさどる指と言われ、痛みが出ると手の使い勝手が悪くなります。治療は手術以外にも、投薬や装具、関節内注射など、患者さんの状態に応じて適切に選択します。 痛みが強く、日常生活に支障をきたしている患者さんは、手の外科専門医の受診をお勧めします。
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私が治療する手の外科の病気の中で、手根管症候群は代表的なものです。
症状としては手のしびれが起きるのですが、「夜中や明け方のしびれ」が特徴的とされます。 一方で車社会で暮らしている患者さんの中には、「運転でハンドルを握っていると手がしびれる」 という症状で病院を受診される方もいらっしゃいます。この「握っていると手がしびれる」という症状は 手根管症候群を疑わせる症状になります。 その他に利き手の手根管症候群で多い症状は ・ペンを持って字を書いているとしびれが出る。 ・歯磨きをしたり、ドライヤーをかけたりしていると手がしびれる。 などの症状も多く見られます。 痺れがあるだけで特別に困らない患者さんも多くいらっしゃいますが こういった症状は日常生活に支障をきたすことに加えて、手術で良くなることが見込める症状です。 運転中に手がしびれる患者さんは、一度手の外科専門医の受診をお勧めします。 手の外科で代表的な疾患に、手根管症候群と呼ばれる病気があります。
手首にある「手根管(しゅこんかん)」という神経のトンネルがあり、この場所で 正中神経という神経が圧迫をうける病気です。 この病気の特徴としては、「夜間や明け方にしびれが悪化する」というものがあります。 先月いらした高齢の女性は、もう5年も前から夜中に手がしびれて寝付けないため、 毎晩手袋をして寝ていらっしゃったそうです。御本人いわく年だからあきらめていたそうです。 たまたま別の場所の怪我をされて整形外科に通院され、掲示してあった手根管症候群の パンフレットを目にして、御自身で「私この病気かもしれない」と思われたそうです。 私が診察させて頂き、確かに手根管症候群でした。片手ずつの内視鏡下手術を行い、数年続いていた夜間のしびれは数日のうちに消失し、大変喜ばれておりました。 この患者さんのように夜間や明け方に増悪するしびれがある場合、手根管症候群の可能性があります。是非お近くの手外科専門医を受診してみてはいかがでしょうか。 |
Author若杉琢磨 Archives
January 2024
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