母指CM関節症とは、中手骨と大菱形骨の間の関節に起こる加齢性の変化です。なじみのある表現でいえば、「ひざの軟骨がすり減る」状態が、親指の付け根に起こる病気です。
結論から言えば、母指CM関節症に対するステロイド注射は、膝関節や肩関節に定期的に行うヒアルロン酸製剤の注射とは位置づけの異なるものであり、定期的に行うことはありません。 腱鞘炎の注射と同様、合併症の発生を防ぐ意味合いで「6か月程度間隔をあけて、2-3回まで」の注射にとどめておくことが、安全な注射の施行方法になります。 このように書くと「めったに打てない」注射になりますが、膝でいうところの「水がたまった」ような場合、つまり急性の関節腫脹などに伴い痛みが増悪したような場合は非常に有効な治療法となりえます。 やみくもにただステロイド注射を打つのではなく、「必要な時に取っておく」ことも、治療戦略としては非常に重要となると言えるでしょう。
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手首の痛みをきたす病気は、腱鞘炎、変形性関節症、打撲や骨折など、様々あります。
整形外科では飲み薬や張り薬が処方されて、装具での固定を勧められる場合も多いです。 先日、近隣のクリニックと地域の基幹病院に、手首の痛みがあり受診され 診断がつかなくて「様子を見てください」と言われた患者さんが受診されました。 診断としては手首を曲げる腱の腱鞘炎があり、ステロイドの腱鞘内注射を行いました。 その際患者さんは「手は固定すると固まるって聞きました」とおっしゃっていました。 手関節周囲の腱鞘炎については手関節を固定することは、局所の安静のために推奨されますが 手首の関節を固定しても、それほど困ることにはなりません。 ただし、骨折の後にも言えることですが、「指は良く動かす」必要があります。 指が動かなくなると、手の機能は著しく損なわれます。 手首の治療の際は、手を固定している間も、指は良く動かすようにしましょう。 (もちろん、指自体が骨折などをしている場合は、別になります。) |
Author若杉琢磨 Archives
January 2024
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