母指CM関節症とは、中手骨と大菱形骨の間の関節に起こる加齢性の変化です。なじみのある表現でいえば、「ひざの軟骨がすり減る」状態が、親指の付け根に起こる病気です。
結論から言えば、母指CM関節症に対するステロイド注射は、膝関節や肩関節に定期的に行うヒアルロン酸製剤の注射とは位置づけの異なるものであり、定期的に行うことはありません。 腱鞘炎の注射と同様、合併症の発生を防ぐ意味合いで「6か月程度間隔をあけて、2-3回まで」の注射にとどめておくことが、安全な注射の施行方法になります。 このように書くと「めったに打てない」注射になりますが、膝でいうところの「水がたまった」ような場合、つまり急性の関節腫脹などに伴い痛みが増悪したような場合は非常に有効な治療法となりえます。 やみくもにただステロイド注射を打つのではなく、「必要な時に取っておく」ことも、治療戦略としては非常に重要となると言えるでしょう。
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Author若杉琢磨 Archives
January 2024
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